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電気用品安全法

この電気用品安全法自体は、事故や火災のリスク、省エネルギー、廃棄物処理・資源有効活用、という複数ファクターのバランスの問題ですから、ある意味「決め」の問題でしょう。
もちろん、個人的には賛成しかねますし、天下り先の増加や周知方法など、いろいろ問題もあります。〒マークと何が違うのかもわかりにくいですし、消費者保護から言えば、製造者責任(中古品は販売責任)と賠償金制度(プール含む)の方が良いかもしれません。

いずれにせよ、法律を円滑に施行するための措置を執る責任が行政にはあるわけですから、この混乱は行政の責任が大きいわけです。
しかし、施行を延期すると行政の責任を認めることにもなるのでしょう。とんでもない「解決策」が出てきました。

レンタル扱いなら実質的な販売を認めるそうです。
安全という観点から言えば、そもそも「レンタルなら良い」という理屈が良くわかりませんが……。

私はよく知りませんが、レンタルと中古品の販売では、法律上大きな差があるのではないでしょうか。だとすれば、一朝一夕にレンタルの体裁が整うとは思えません

たとえば、

まず中古品販売会社の定款には、通常は「レンタル業」記載がないでしょう(想像ですが)。新たな「業」を行うためには、株主総会や取締役会を開き、定款変更の手続きが必要になるはずです。

税務上も、おそらくレンタルだと(レンタル後も)資産扱いでレンタル料収入の計上でしょうし、中古品販売だと販売後は全額売上扱いになります。前者だとレンタル期間も固定資産税もかかることになり、償却計上も必要となります。確かレンタルの固定資産税は、レンタル先の地方自治体に払う必要があったはずだけど、中古販売業者がそこまでできるのかなあ。

さらに、レンタルですからレンタル期間終了時に回収・検査できることが前提となります。事後検査してPSEマークをつける必要がありますからね。しかし、小規模の中古販売会社にその体力や体制があるかどうか。レンタル期間中の事故も気になるところです。

また、経産省が示唆している「レンタル扱い後に無償譲渡」という方法にも問題があります。当面の措置を「数ヶ月」としていますから、中古品販売の売値(検査費込)をその数ヶ月間のレンタル費で回収することになります。
例えば、売値10万円の中古品を6ヶ月で回収するとなると、レンタル料率は年200%となります。残存価値が大きいと、無償譲渡は贈与になりますからね。中古品の耐用年数がいくら短いとはいえ、このような高率のレンタル費が(従来の法運用上)容認されるのでしょうか。

私の指摘が間違っていなければ、
きちんと関係法律をふまえてレンタル扱いで凌ぐことは、結構ハードルが高いと思われますが、経産省は施行直前に示しても騒ぎが収束できると思っている、ってことですよね。

うがった見方をすれば、「本来の意味のレンタルでなくても、『レンタル』って言えばいいよ」と、つまり「経産省自ら脱法行為を薦めている」と言われても仕方がないんじゃないでしょうか。もし、資産計上などしなくてもレンタルと認めるということなら、資産を売上に付け替えたホリエモンとある意味変わらないんじゃないでしょうか。
あるいは、非現実的な案を出して、対策があるように思わせる、という手法かもしれませんが、それならそれでひどい話です。

さらに酷いのが「業者間の取引にPSEマークは不要」っていう解釈です。
今頃こういう解釈が出てくるということは、法律に明記されてないんですよね?
つまり法律の適用範囲ですら、きちんと法律内で定義していないということになります。都合のいいように後から変えられるよう、役人が仕込んだ曖昧さなのでしょう。


で、ここまで大騒ぎして、国民・関係者の犠牲を強いて導入される、PSE制度の目的って何なんでしょうね。

この件を見ていると、自分たちの面子のためには、法律をねじ曲げることも厭わない、そんな官僚の傲慢さを感じました。私だけかもしれないけど。

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