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報告書:J2リーグの将来像(2)

○練習場などの周辺環境

準加盟資格として、「練習場の確保」があります。しかしこれは以前からの基準と変わらないでしょうし、突っ込んだ事項もありません。確かにプロの興行という意味では、その興行会場や興行の継続(財政)が中心になるのは仕方ないのですが、クラブハウスも含めた練習場という面にも、もう少し目を向けても良いのではないでしょうか。
……少なくとも、ケータリングがど~たらこ~たら、という事より重要だと私は思うのですが、エライ人々にとっては違うのでしょうか?

練習場と言っても、土のグラウンドでシャワーもない場所から、常緑の天然芝のクラブハウス付き練習場まであります。ナイター設備完備で居残り練習し放題という環境から、雨が降ったら使わせてもらえなかったり、練習時間終了前には外で次の一般チームが待っているいうジプシー環境もあるでしょう。
プロがプロとして魅せるための準備の場所としてふさわしいものは何か、また劣悪な環境で怪我などが増え貴重な選手生命を短くしてしまうことは(当該個人・チームだけでなく)日本サッカー界にとっても損失であるという意識、そしてその切り口から生まれる基準、というものがあるはずです。

参入障壁を高くすればいいと言うものではないことは重々承知していますが、プロのトップチームが天然芝で練習できないようでは、夢を与える存在としてはちと寂しいなあと。選手を「守る」という意味からも、国や地方自治体、スポンサーに対して、リーグやJFAがさらに働きかけてほしいものです。


○予算規模と入場者数

JFLの段階で1.5億円規模、参入直後で3億円、その後速やかに5億円以上の事業計画を持つことが提案されています。もちろん愛媛の時にも問題となった、常勤役員や常勤スタッフも要求されています。しかも、JFL時点で1試合平均観客数が3,000人以上であることとなっています。

どれも厳しい内容ですが、その中でも観客数はなかなかハードルが高いです。
例えば今期のJFLは6節を消化済みですが、3,000人を越えたのは
・第1節 栃木vs琉球(6,153人)
・第4節 琉球vsジェフ(3,424人)
・第6節 佐川大阪vs佐川東京(5,328人)
だけです。佐川はいわば社内大会ですし、栃木もその後は1,480人、1,177人と伸びていません。琉球は堅調ですが、まだ2試合しかホームで試合していないので、何とも言えません。ちなみに昨年の愛媛も、1,000人台の試合が大半ですし、2000年の横浜FCですら、平均3,600人強です。

しかし、支出モデルを見ると、この要求も決して高すぎるハードルというわけではなさそうです。
例えば、JFLの1.5億円モデルだと、選手の年俸総額は3,500万円、1人あたり100万円強ってところでしょうか。
J2の3億円モデルでも、日本人選手の年俸総額は8,000万円(30人なら1人あたり約270万円)で、外国籍選手は0という試算となっています。5億円モデルでやっと日本人選手の年俸が1億円を超え、13,800万円(30人なら1人あたり約460万円)、加えてやっと外国籍選手が2,500万円(3人なら1人あたり約830万円)という計算になるようです。

で、JFLの1.5億円モデルの前提が入場者数3,000人強、というわけですから、一見難しそうに見える「3,000人」の条件は、健全な経営という観点からは必要な入場者数なんでしょうね。
もちろん、入場者数の過多はスポンサー料にも効いてくるでしょうから、入場者数の不足による減収を他の収入でカバーすることは容易ではなさそうです。

しかも、入場収入の想定内訳(JFLの1.5億円モデル)を見ると、大人だけでも
 ・大人シーズンチケットが 1,130人
 ・座席指定席(@3,000円)が 25人
 ・大人ブロック指定(@2,000円)が 300人
 ・大人自由(@1,500円)が 750人
ですし、それ以外に子供が、シーチケ770人&ブロック指定+自由で570人の計1,340人
という計算ですから、現状のJFLと比較すると、これでも結構単価の高い、「甘々」の想定なのかもしれません。

今期は愛媛FCがJ2に新規参加しています。亀井社長のインタビューによると、昨年JFLでは1.5億円、今期は(現実的な数字としては)3億円規模の想定となっているようです。「外国人選手の獲得にも動きましたが(中略)断念しました」とありますので、モデルと相似しています。
水戸は予算規模が少なくても外国籍選手を獲得していますが、新規組は運営体制を整えながらの参入になりますから、運営費も余分にかかる面があるのでしょうね。

さらに、チーム移動費が2,400~3,000万円と案外大きく、グッズ収入総額に近い金額となっています。しかしこれはあくまでモデルですので、四国や南九州、沖縄や北東北など、交通の不便な、かつ移動コストの高い地域のチームには、さらなる重圧となりそうです。


サッカーチームの経営は、さかつくと違って(笑)難しいですね。でも、その壁を乗り越えて、Jリーグチームが増えていって欲しいと思います。

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