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メール問題と太平洋戦争

メール問題は、残念ながら最悪の形で終戦となりました。期待した英知は発揮されず、撤退戦も総崩れでした。
残念ながら今回の民主党の対応は、太平洋戦争における日本とだぶって見えます。

○開戦前夜

民主党が掴んだ「攻撃材料」は、少なくとも取捨選択が可能でした。「攻撃材料」として適切かどうか、また攻撃結果の期待値はどの程度か、その後の戦線をどう維持・発展していくかを判断し、期待値が低かったりリスクが高いようであれば、使うことを止めるという選択が可能でした。4点セットという攻め口もあり、メールにこだわる必要はなかったわけです。もちろん、あのメールの真偽、少なくとも現情報で本物と認定可能かどうか位であれば、ちょっと詳しい人間なら判断可能でしたね。
その意味では、実質的に選択の余地がなかった太平洋戦争(≠日中戦争)よりは、恵まれた状況でした。しかし、戦争に突入してしまいます。

○真珠湾攻撃

民主党は、新鋭機(笑)で強烈な奇襲をかけました。国会の場でいきなり名誉毀損の可能性がある言葉を投げつけられては、全面戦争突入しかありません。世間にインパクトを与えるという意味では、奇襲は成功しましたが、民主党は自らの退路を断ってしまいました。もちろん民主党自身に和平の気持ちもありませんでした。小泉大勝でじり貧となった民主党にとって、「起死回生の一発を決められるかもしれない」という誘惑は強烈で、そのうち「勝てる」という盲信に変わっていったのでしょう。

しかしこの時、民主党には戦力がメールしかありませんでした。奇襲で相手に大打撃を与えることが勝利の条件でしたが、港に「空母」はいませんでした。
金銭の授受に関する確証に加え、(武部幹事長の二男がコンサルタント契約という話で)金銭の授受に匹敵する対価の提供(コンサルタント内容)がなかった事が証明できれば、不透明な資金の動きがあったことになります。それがあれば「空母がいた」ことになりますが、おそらく空母がいるかどうかの確認をせずに、奇襲してしまったのでしょう。
ルーズベルトの陰謀説が如く、民主党に(ディスインフォメーションを使って)攻撃させたとの、うがった見方もあるようですね。

○ミッドウエー

党首自ら期待を持たせる言動にて、掛け金を上げていきます。総理の出城の一つである幹事長の攻略は、今後の攻防の足がかりとなります。しかし、小泉首相の言動からは、見切ったようなある種の余裕が感じられます。本来の目的である「疑惑の追及」ではなく「メールの信憑性」へ軸足が移ってしまい、米空母誘き出し殲滅からミッドウエー島攻略へ色気を出した機動艦隊と同様、目的の二重性の罠にはまります。
おそらく機密情報も事前に解読(メールの信憑性を把握)されていたのでしょう。奇襲で活躍した、期待のメール機動艦隊は粉砕されます。

○ガダルカナル

仮に攻撃が成功しても、その後どうするかという問題があります。今回民主党には最初に投入した戦力しかなかったのですから、事態を打開できる増援や補給はないのです。ガダルカナル島の惨劇と変わりありません。勝利の見込みが無くなっても、野田氏を初めとして「謝罪」「首」を時間をかけて逐次投入していきます。が、戦力の逐次投入は下策であることは、前原代表自身がご存じだったはずなのですが。
逐次投入すればするほど、選挙区じゃなくて戦局は泥沼化し、民主党の力を奪っていきます。

○サイパン陥落~終戦

撤退が緩慢・かつ中途半端なため、損害がどんどん大きくなっていきます。もはや和平という段階ではなく、組織の存亡の危機となりました。当初野田氏の首を差し出すことで守り抜こうとした前原代表の首も、結局は差し出さざるを得ませんでした。最終防衛ラインの崩壊です。執行部総退陣は実質的な無条件降伏です。選挙区は「焼け野が原」状態と言っても過言ではありません。
早い段階に撤退・降伏を決めていたら、傷は浅く、本土の被害も最小限で済んだかもしれません。

○そして戦後

健全な野党、これが日本には必要です。小泉を支持する者にとっても、支持しない者にとっても、健全な野党は必要なのです。幸か不幸か、自民党に相対できる政党は今のところ民主党しかありません。
民主党の頼りなさや情報処理能力欠如を白日の下にさらすことになったメール問題は、民主党にとってかなりのダメージをもたらすことになりましたが、焼け跡からなにくそと、這い上がって欲しいと強く思います。

そしてこれを機会に、「情報の重要性」を認識して欲しいと。これが政党間の争いだったから良かったものの、国際問題だったらどうなっていたでしょうか。

「情報」がなければ「判断」ができません。「判断」ができなければリスク管理の観点から選択するしかありません。
例えばイラク問題では、日本が状況判断可能な情報を持っていなかった(獲得できる組織や能力がなかった)ため、(日本の安全保障上リスクの少ない)アメリカに追随せざるを得ませんでした。
 #もちろん、情報を活用した上でも同じ選択だった可能性はありますけどね。

政権を取る気があるのなら、「情報」をどう集め、取捨選択・分析し、活用するかをきちんと戦略として組み立て、体制を整える必要があります。念仏だけでは、平和も安全も生活の豊かさも実現できませんから。

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