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安全を得るためのコスト

日経(6/16朝刊第1面)に、都電の追突事故についてのコラムが掲載されていました。

コラムでは
 ・各地でLRT※の導入の動きが盛んである
 ・今回の追突事故は、この機運に水を差しかねない
 ・スローな乗り物とはいえ、時には凶器と化す
 ・大半の路線にはATS等が無く運転手任せである
 ・LRTを普及させるなら真剣に対策を考える必要がある
と主張されています。
   ※コラムでは新型ちんちん電車と表現されています

本当に、それでハッピーなのでしょうか。

LRTを導入しようとしている地方都市は現状、バスで対応しています。
では、バスの安全レベルはどうなっているのでしょうか。
 ・バスは速度はLRTと同等か、より高速で運行されるケースもある
 ・バスはATS等が無く運転手任せである
と、LRT自体がバスに劣っているわけではありません。

では、なぜ「LRTを普及させるなら真剣に対策を考える必要がある」のでしょうか。

おそらく、バスなどと違い、なまじ対応策があるから、じゃないでしょうか。

ATSを導入することにより、追突事故を防ぐことはできるでしょう。
しかし、その対応策は(路線長や車両数によるでしょうが)おそらく数億~数十億円のオーダーになることでしょう。それは既存路線であれ新規路線であれ、コストとして跳ね返ります。そしてそのコストは最終的には、その地域住民が負担することになります。

そのコスト増が原因で、導入を見送る、あるいは路線廃止の道を選択した場合、結局安全性で大差のない(あるいは劣る)バスに戻ってしまいます。
また逆に、そのコストを便増や路線長増に振り向けた方が、住民にとってハッピーかもしれません。「追突」を防ぐためのコストはどこまで許容できるか、あるいは(バスと同様)「追突」の可能性を許容するかどうか、は当該住民の判断に任せるべきでしょう。

公共交通機関が既に充実している大都会の基準で「安全」を金科玉条にするのではなく、
ATSを導入することで得られるメリット、デメリットをきちんと評価し、その上で地域の選択にまかせるという「地方分権」を進めることが、これからの公共交通にとって重要でしょう。

#ちょっと単純化しすぎましたかね

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コメント

その昔、大都市には路面電車が網の目の如く張り巡らされており、各運転系統も重なって、連行運転が当たり前でしたけど、(大きな)追突というのは聞いたことがありません。
今回の件は、結局は運転士のヒューマンエラーということになると思います。
 しかし、路面電車は殆どが閉塞方式運転ではないので、ATSの地上子は、どう配置するのでしょうね。マスコミさんにはそこまで考える責任はないのでしょうけど。。。
 車間距離が一定の限界以内になったら自動制動をかけるという車両搭載設備が目一杯と思いますが。。。

投稿: M@鉄 | 2006.06.17 23:40

軌道専用区間が多いと、かえって安心してヒューマンエラーが多くなるという面があるのかもしれません。でも軌道専用の方が、トータルでは安全なんですよね……。
どうしてもヒューマンエラーのカバーをするなら、M鉄さん提案の、車輌の位置を検知してその後ろを進入禁止にする(移動閉塞?)方法が良さそうですが、電停や信号で接近停車とかできなくなりそうなのが残念。。。
マスコミには、「LRTはバスに毛が生えたもの」と理解してもらえると話が早いのですけどね。

投稿: | 2006.06.18 00:33

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