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教育とセーフティネット

なんか、言いたいことをコメント欄で簡潔に書いてくれていて。いやあ、召喚した甲斐があった。Thanksです>ぜんさん
あ、いや、召喚の下心があったのは事実ですが、この問題、中長期的には教育がポイントだと思っているのですよ、マジで。この場合の教育は、本人だけじゃなく、親も、です。

18歳の高卒が社会に出るとき、どういう尺度で進路を選択するか。社会の仕組みと人生設計をどこまで考えて行動できるか。たぶん、生徒個人の知識で合理的な判断をするというのは、レベルにかかわらず難しいんじゃないですかね。「自分探し」などというレトリックに踊らされたり、目先の手取りの多さに惑わされるのは、ある意味仕方がない。
だから、社会の仕組みと人生設計の重要性を理解した親や教師が必要で、そして生徒にはその言葉を聞きおぼろげながらも理解する素養が必要。それがなければ、この問題はまた繰り返されるでしょう。「格差世襲」にも繋がりそうです。

……ということで、ぜんさんへのコメント返し。

>政策レベルの話は、うちらの教育現場では解説不能。

あんまり難しいことは想定してないんよ。チビ穂が今高校3年生やったら、俺ならこの機会に「正社員」「非正規雇用」「バイト」の3つがどう違うのかを考えさせ、「非正規雇用とバイトが大差ないこと」を教えるやろなと。社会に出るのに、雇われ方くらいは知らんとね。
そやけど、派遣等で解雇された人のインタビューを聞くと、このレベルの話すら当人は理解(あるいは実感)していないんとちゃうかな。

>簿記会計を3年間勉強しても、日商3級の合格率が半分くらいレベルでは・・・

3級レベルでも、仕訳の本質を理解してれば、この件を含めかなりの経済問題は理解できるはずやけど、どうしても事務技術的な、機械的な簿記技術の習得に終始してしまうよな。
この辺も、「社員と同じ仕事をしているのに」ってのと繋がる。同じ経理処理の仕事をしてても、その差は見えないところで効いてくるわな。もちろん、その会社に対するメリットは、パーソナリティにも左右されるけどね。

>必要なことは選ばれるためのスキルアップ。

スキルっちゅうと誤解されやすいけど、他より優れていると選ばれやすい、選ばれやすいと選ぶ立場にもなれる、選ぶ立場になれると自分の希望が実現しやすくなる、というロジックは理解させたいね。それには、適度な競争は必要やろ。徒競走で手を繋いでゴール(都市伝説?)なんて話にならん。
他より優れるためには、勉強とか練習とか、ってのがやっぱり大事。もちろんそれは、数学や英語、50m走とかだけやないけど。
このへん、ぜんさんの言うとおり、親の教育に対する価値観が重要やと思う。

>(やれば出来るにも関わらず)自助努力を怠る者の為に、セーフティーネットを張るコストを負担出来るかいなって思いませんか?

でね、18歳の高卒が「非正規雇用」を選んだとして、それを100%自己責任として切り捨てるほど、社会は手を尽くしたのかと。「自分探し」「多様な雇用体系」「金儲けは悪」「社畜」「働きがい原理主義」「実力主義」「年功序列の全否定」で煽り、若者の合理的判断に影響を与えたマスコミを初めとする社会には責任がないのかと、ちょっと思うんよ。

まあ確かに、おまえら、景気が改善してきたタイミングで、「非正規雇用」から抜けるチャンスはあったやろ、とは思う。そやけど、「非正規雇用」も好景気になると給料上がるからなあ、一旦痛い目にあわんと実感できんもんかもしれん。


ちょっと話は逸れるけど、
2000年台前半に、EB債ってのがあった。「他社株償還条項付債」ってやつで、ざっくり
 ・通常の社債より利率が高い
 ・ある会社の株が指定額(まあ当時の株価の6割とか)より下がったら、株で償還する
という感じ。
で、元銀行員の父親がコレに手を出した。
で、俺は胡散臭い気がしてちょっと反対したんやけど、「あの会社の株が半値近くも下がるわけがない」に反論できんかった。

これってオプション取引の「プットの売り」と同じで、
・株式が値上がりしても利益は変わらない (株が値上がりすると予想するなら、株を買う方が有利)
・株式が一定額より値下がりしたら大きく損をする (株を買って値下がりする時と損する金額が殆ど変わらない)
・株式の値下がりが一定額以内であれば、年数%のご褒美がある
やから、
「うまくいけば年数%の儲けが出るが、下手すると元本が約半分になる」商品。そのリスクのご褒美が利率なので、逆に言えば、利率が高いほど大きく損するリスクも高い。

何ちゅうても元銀行員、商品の特性もリスクの存在も、それなりに理解していたはず。でもそのリスクを実感できていなかったから、(引退直前なのだから)安定運用すべき老後資金の一部を投入し、裏目に出た。あれから父親は懲りたのか、デリバティブには手を出してない。
頭で理解していても、判断を誤ることはある。人間って、一度は痛い目にあうもんかもしれんな。


……だから、リスタートの機会くらいは、与えてもいいんとちゃうか、と思ったりする。俺らかて、会社が倒産したら同じ運命やから、ある程度の保険料は納得できる。
もちろん、そのまま「生活保護→合法的な引きこもり」になられると困るから、前回書いたような「労働のインセンティブ」が必要。たぶん生活保護も、労働能力のある人への一時的なセーフティネットと、労働能力のない人への長期的な福祉政策の複線にすべきやろね。現状がどうなんかは知らんけど。

>偉そうにニュースでコメントしているTV局が、視聴率欲しさにやってることはなんと愚かなことか。

「非正規雇用」をあれだけ非難しているマスコミ、その内情は相当酷いらしいけどね。俺には確認する術ないけど、本当なら「どの面下げて」って感じ。

>そら、国民はダメになるわな。

そう言わんと、がんばってぇな。賽の河原の石積みかもしれんけど。

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